落語

 4月初めには三遊亭圓楽さんの独演会へ。そして先週は露の団四郎さんのバースデー独演会。素晴らしかったです。話だけで人をあんなに引き込めるなんて、神業だと思います。その他にも生徒さんから貸してもらった『桂枝雀名演集』のDVDを聞いたりと、最近私には落語の波が来ているようです。

 笑いにもいろいろありますよね。すぐにあははとなる直接的なものから背景知識がいるもの、集中力が必要なものものなど。笑いは生活に溶け込んで身近にある感情だと思いきや、これだけ多様な笑いを日常で味わえることは少ないです。そう思うと落語は特別な舞台ですね。終演後は頭がほぐれてスッキリ。落語は間違いなく漫才やコントといったものの下地になっていると思います。特に上方においては関西人、また大阪人(そのような言葉があれば)の人格の原点になっているような気さえします。

 そして落語をかじったばかりの初心者が思ったところでは、クラシック音楽に似ているところが沢山あるということ。私がピアニストなのでそういった見方になるのでしょうが。演目の中心が古典で、100年以上前に創られた話を現代に受け継いでいることや、台本、ということばは適切ではないでしょうが、おおよその話が決まっていて、それを噺家が独自の語りや解釈でもって表現できるということ。こういうのも似ていますね。古典を重んじる芸能や芸術は、先達の築いたものを踏まえつつ、現代に再演するにあたって表現や解釈をどうするかというのはやはり大きなテーマで、またそれを自らの個性とどうミックスして新しいものを創っていくかという面白さがありますよね。クラシックもそうです。

 演者は作り手とは違う人物なので必ずそこには主観が入って誰も同じ表現にならない。1次的なテキストが吟味された、2次的な創造。そこはクラシックの演奏よりも、落語のほうが柔軟で生き生きしているという印象を受けます。興味が出たのでこれから沢山見ていきたいと思います。古典も聞きたいし、新作も聞きたい。団四郎さんの新作落語も面白かったなあ。題名は忘れましたが落語作家、竹下玲子さん作のおしりが喋りだす話。なんだったかな。